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本来の目的で使われない山の木々
- そんなのもったいない!
本来の使用用途として使われないものには、みんなそう言います。
林業の世界にもそれがあります。
間引きのために切られる「間伐材」もそのひとつです。
私達、志賀郷杜栄(しがさともりえい)は山林の整備、いわゆる「山の手入れ」を事業の一つとして、山の中に道をつけることを行っています。 -
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毎日出てくる山の木々
- 私達は毎日山に道を敷設していて、大量に木材が出てきます。
その木材たちを「間伐材」と呼びます。
農作物でいえば、間引きのことです。
たくさん種を植えて、成長の良いものだけ、美しく育ったものだけを残してあとはすべて取り除く。
林業においても同じ作業があります。
道をつけるために邪魔だった木、隣の木をまっすぐ大きく太く育てるために除かれる木、曲がりが強くて使えない木、そんな木材を毎日切り倒し運び出しながら森林の整備を行います。 -
- その材のほとんどは、建築や生活周辺に使われることなく、チップやペレットといった燃料の材料や、ベニヤ板などの汎用既製品の材料として使われます。
まっすぐに伸びて加工しやすく、硬くて強い、柱や壁の板に使われるような材もすべてそのような、本来の目的と違った使い方として利用されるか、手間を考えると出荷すらされないこともあります。 -
本来の使い方をされないのはどうして??
- もちろん本来はチップやベニヤ板にする目的で植えられたわけではありません。
じゃあ本来の目的は?細い木は今も昔も出るでしょう。昔の日本はどうしてたの?という声も上がります。
そう、昔の日本には、細い木も使い道がちゃんとありました。
屋根の補強、土壁の下地、床板の補強、田んぼの土留め、用水路の補強、家具や道具の一部、それらすべての補修など、生活の周りが木々に溢れていた時代には、木材を余すことなく使っていました。
今はもう木材が身の回りに潤沢に使われてる、なんて生活ではなくなりましたよね。だから大工さんたちや製材所の人たちも、木材を細い木で買うことなんてしなくなりました。いまやニーズがないのです。だからすべて燃料や加工しやすい既製品のベニヤ板に変わっていっています。 -
だったら使い道を探せばいいじゃない
- そんな状態なので売上も上がることなく、林業・製材業は衰退してきました。これがいまの日本の森林とそれを取り巻く現状です。
どうにかしてこの木材たちをうまく使えないか。
ずっと私達はこのことを考えてきました。
そんな中…
「え?これ全部捨てちゃうの?欲しい!」
そういう声が上がるのは、大工さんたちではなく、一般の人達からでした。
そう、建築材としての価値がなかったり、大工さんが欲しがらなかったり、社会的ニーズがなかったりしても、「木材」そのものを欲しい人はたくさんいます。 -
- 家の壁を木材でDIYしたい、木のテーブルが欲しい、お店の看板を作りたい、木そのままをインテリアとして使いたい、木のアクセサリーが欲しい、小さくてもいいから木の本棚がいい、木の食器があったら可愛い。
木の質感やぬくもりを生活に取り入れたい。いまの社会だからこそ、そういった一般の人たちのニーズだけはどんどん高まって来ています。
そう、家屋に使うことはなくなり、大工さんや製材所への販売ができなくなったとしても、木材を使いたいという人はたくさんいるのです。 -
ないなら作りましょう。「開かれた製材所」
- 私達の最大の強みは、林業を6次産業化しているということです。
・伐採と手入れ
・搬出
・製材と加工
・販売
現代では当たり前となった分業化。それぞれ一次産業、二次産業、三次産業ですが、私達はこれをすべて自分たちで行っています。林業の川上から川下まで一括で担うことで、自由度が高く、できるだけ安く、柔軟な対応が可能になりました。
そして、一般の人が気軽に注文できたり体験できたりするような、そんな製材所を京都府綾部市に開きました。現在は地域の方々からのオーダーを受けたり、間伐材を使った新しい製品の開発、それらを体験できるワークショップなども開催しています。 -
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私達が目指していること
- この間伐材の使い道として新たな形を模索しています。
目指すところは
「林業における新たな価値をみつけること」と「それを林業に還元すること」です。
そこで思いついたアイディアは
「一般の人に林業に触れてもらえばいいんじゃないか?」です。 -
- そして開催したのが「製材体験ワークショップ」。
これは丸太を1本丸々、自分で好きな大きさの板に加工することができる、体験型のワークショップです。
普段の生活では触れることのない丸太を、自分で機械にセットして板として加工する。板は持ち帰ることができ自分でテーブルや看板にすることができる。
「これだよこれ!こういうのが欲しかった!」
参加してくれたお客さんからの声が上がりました。 -
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新しい林業の循環
- 「ワークショップの参加費用はすべて森林整備のために使われる」
それを聞いてみんなとても幸せそうな、楽しそうな顔をしていました。
私達の仕事で発生した利益はすべてまた別の山の手入れに使われ、新たな間伐材が製材所に入ってくる。そしてまたその木材を利用していろいろな人が生活に取り入れていく。
林業として新しい循環をつくることに成功しました。
「ぜひまた参加したい」
そういう声をたくさん聞きながら、現在は月に1回以上のペースでいろいろなお客様を受け入れ、ワークショップを開催しています。 -
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私達が届けたい間伐材の価値と山の未来
- このクラウドファンディングでは
・間伐材を使った生活の道具
・間伐材を使ったワークショップ
・間伐材を使った次世代型アイテム
をテーマに間伐材を利用した新しい価値を提供します。 -
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- このファンディングで発生した売上はすべて、山の整備や材の搬出などに利用されます。
このサイクルを続けることで「日本の山の復活」と「みなさんの生活に新しい木の潤い」を届けることができればいいなと私達は考えています。 -
さらに大型の物も!
- 現在はまだ準備中ですが…
間伐材を使った、細いながらも木材としての強度を利用した軽トラックに乗せる移動型居住空間「キャンパー」も設計中です。
お楽しみに! -
みなさんに届けたいこと
- 間伐材とは言えど、木目は美しく、その色合いなどすべてが違います。生活の一部に落とし込んで使い込まれた道具はとても素晴らしいものです。こればかりは、文章で伝えることができないので、作品の写真を見ていただいたり、実際に足を運んで頂いて体験して感動してください。
山から出た木材を少しでも皆さんにお届けすることができ、楽しんでもらい、山のことをもっと知ってもらう。そして皆さんの気持ちが日本の山をもっと良くしていく、そんな世界が広がっていったら良いなと思っています。 -
最後に
- 皆様のご支援が、「森のめぐみの新しい価値の創造」と「日本の山の保全」と「皆様の生活の新しい活力」となります。ご支援よろしくお願い致します。