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12/19更新*シンポジウム【石牟礼道子と能 -新作能『沖宮』の世界】開催レポート
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- 2021年6月の新作能「沖宮」再演からちょうど半年となる12月12日(日)、立命館大学大阪いばらきキャンパスにて、記念シンポジウム【石牟礼道子と能 —新作能「沖宮」の世界—】を開催しました。
登壇者は、以下の4名。
[モデレーター]志村昌司(新作能「沖宮」プロデューサー)
[パネリスト]鎌田東二 氏(京都大学名誉教授)
[パネリスト]金剛龍謹 氏(能楽金剛流若宗家)
[パネリスト]佐藤岳晶 氏(京都女子大学准教授) -
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- 【講演内容】
①「新作能『沖宮』公演を振り返って」
②仕舞「沖宮」
③鼎談「新作能『沖宮』の世界の広がり」
冒頭では、6月の公演映像を鑑賞し、志村昌司による解説で公演を振り返りました。
その後披露された仕舞では、金剛流若宗家・金剛龍謹氏による力強い舞と謡が大ホールを「沖宮」の世界へと引き込みました。 -
- 最後の鼎談では、新作能「沖宮」の詞章に込められたメッセージ、使用されている音楽、舞の動きなど、各パネリストの先生方から、それぞれの視点に立ったお話を聞かせていただきました。
能楽堂とは異なる空気に包まれた濃密な2時間。お越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。
新作能「沖宮」の今後の展開をどうぞお楽しみに!
(撮影/上杉遥) -
🌿新作能「沖宮」公演が無事終了いたしました🌿
- 6月12日(土)、金剛能楽堂にて、新作能「沖宮」公演を無事終えることができました。
昼・夜合わせて350名以上の方にご鑑賞いただき、ライブ配信では100名を超える方々にご鑑賞いただきました。
この度ご支援いただいた皆様には、心より感謝を申し上げます。
再び新作能「沖宮」が皆様にご覧いただけることを願って…
新作能「沖宮」公演実行委員会 一同 -
- 第一部:二重唱よりソプラノの辻村明香さん、カウンターテナーの村松稔之さん(撮影/上杉遥)
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- 第二部:新作能「沖宮」より、緋色の衣を受け取るあや(撮影/上杉遥)
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- 第二部:新作能「沖宮」より、大妣君に迎え入れられるあや(撮影/上杉遥)
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オンライン視聴権 継続販売のお知らせ
- この度は新作能「沖宮」公演プロジェクトをご支援いただき、誠にありがとうございます。
クラウドファンディング終了後、オンライン配信視聴権の販売も終了しておりましたが、終了後に多くの方々から「ぜひ沖宮をみたい」とのお声をいただき、私たちも検討を重ねてまいりました。なるべく多くの方々に「沖宮」のメッセージを伝えたい、ということが本来の私たちの願いであることをふまえ、オンライン視聴権の販売を継続させていただくことになりました。どうぞご理解を賜りますようお願い申し上げます。
継続販売につきましては継続販売につきましては、下記のページにてご案内しております。
(現在、アーカイブ配信のみの販売を行っております。) - 今後とも、新作能「沖宮」公演プロジェクトをよろしくお願い申し上げます。
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🌸クラウドファンディング終了の御礼🌸
- この度はTHE KYOTO クラウドファンディグ「新作能『沖宮』公演プロジェクト」にご支援いただき、誠にありがとうございました。
たくさんの方々に暖かいご支援いただき、無事に6月12日に京都・金剛能楽堂にて「沖宮」を公演する運びとなりました。皆さまのご期待に応えられるような舞台になるよう、これから関係者一同頑張っていく所存です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2021年4月1日
新作能「沖宮」公演実行委員会
代表 志村昌司 -
目標金額到達の御礼🌸&さらなる支援金の用途について
- 新作能「沖宮」公演プロジェクトへのご支援、誠にありがとうございます。みなさまのおかげで無事目標金額に到達し、2021年6月12日(土)に京都・金剛能楽堂にて新作能「沖宮」を公演することが決定いたしました。
公演チケットはすでに予定枚数に達しましたが、オンライン視聴権はまだございますので、ご支援のほどよろしくお願い致します。
目標金額を超えた資金につきましては、さらなる「沖宮」プロジェクトの推進のために使わせていただきたく思っています。
具体的には以下のプロジェクトを行う予定です。 -
1. 熊本・真宗寺にて奉能 ※当面の間、延期いたします
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- 6月公演の報告を兼ねて、8月に天草四郎役の金剛流若宗家・金剛龍謹が「沖宮」の仕舞を奉能いたします。熊本・真宗寺は、1978年から94年の間、石牟礼道子さんが仕事場を借りていたお寺でもあり、大変繋がりの深い場所です。84年には、親鸞聖人御遠忌(ごえんき)に「花を奉るの辞」を奉納されました。
※新型コロナウイルス感染症の拡大につき、当面の間、開催を延期いたします -
2.「沖宮」シンポジウムの開催
- 新作能「沖宮」をめぐってシンポジウムを行い、新作能「沖宮」の世界をさらに深めていきます。「沖宮」に託されたメッセージを色々な角度から考えていきます。
シンポジウムの成果は後日レポートとして、支援者のみなさまとも共有させていただきます。 -
- THE KYOTOクラウドファンディングでいただいたご縁を大切にし、これからも真摯に文化・芸術活動を行っていきたいと思っております。みなさま、どうぞよろしくお願い申し上げます。
新作能「沖宮」実行委員会
代表 志村昌司 -
ごあいさつ
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- <「沖宮への道行」 撮影/上杉遥>
- みなさま初めまして。
新作能「沖宮」公演実行委員会代表・志村昌司(しむら・しょうじ)と申します。紬織の人間国宝・志村ふくみの孫として、そしてその娘で染織家の志村洋子の長男として京都に生まれ、二人の芸術精神を継承しながら、これまで自然と芸術に真摯に向き合い続けてきました。
現在は「アトリエシムラ」代表として着物などの制作に取り組むほか、次世代へ植物の色彩世界を継承すべく、母・洋子と共に設立した芸術学校「アルスシムラ」で後進の指導も務めています。
そしてこの度、「沖宮」を新たに公演するために「新作能『沖宮』公演実行委員会」を立ち上げました。 -
—新作能「沖宮」とは—
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- 原作・石牟礼道子(作家)、衣裳監修・志村ふくみ(染織家・人間国宝)による新作能。
自然と人間の関係に真摯に向き合いながら仕事に打ち込んできた両者が、東日本大震災による原発事故を契機に完成させました。
〜原作「沖宮」のあらすじ〜
島原の乱の後の天草下島の村。 干ばつに苦しむ村のために、雨の神である竜神への人身御供として、亡き天草四郎の乳兄妹の幼い少女あやが選ばれる。緋の衣をまとったあやは緋の舟に乗せられ、沖へ流されていく。舟が沖の彼方に消えようとした瞬間、稲光とともに雷鳴がとどろき、あやは海に投げ出される。あやは天青の衣をまとった四郎に手を引かれ、いのちの母なる神がいるという沖宮へ沈んでいく。そして、無垢なる少女あやの犠牲によって、村に恵みの雨が降ってくる。 -
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新作能「沖宮」の誕生
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- <左:石牟礼道子 右:志村ふくみ 撮影/矢幡英文 『遺言』(ちくま文庫)より>
水俣病に病んだ日本と向き合い、現代における自然と人間のあり方を見つめてきた作家・石牟礼道子。
2011年の東日本大震災による原発事故をきっかけに近代日本の在り方への危機感を募らせた志村は、長年の友人である作家・石牟礼道子に手紙を送り、およそ2年間にわたる往復書簡の中で、新作能「沖宮」は誕生しました。 -
即完売となった注目の公演
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- <東京・国立能楽堂での公演をご覧になる美智子皇后(現・上皇后)陛下 提供/朝日新聞社>
そして2018年、本公演は日本中の注目を浴び、チケットは即日完売。熊本・水前寺成趣園能楽殿での初演を皮切りに、京都・金剛能楽堂、東京・国立能楽堂の計3カ所で上演され、延べ1,500人に鑑賞されました。石牟礼道子の魂の言葉と、それを色で表現した志村ふくみによる鮮やかな装束の共演が大反響を呼びました。 -
クラウドファンディングで挑戦したいこと
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支援者と作る「沖宮」
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- <2018年の京都公演の様子 撮影/上杉遥>
現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、舞台芸術は公演形態の変更を余儀なくされています。
■感染リスクを最大限軽減した公演にする為に
・座席の半数制限(355席→177席へ)
・入場時における消毒・検温
・会場内の換気・消毒
・チケットの電子化対応
上記のコロナ対策を行いつつ「沖宮」のメッセージをきちんと皆様にお届けするためには、従来のチケット型公演では難しいのが現状です。そのため、今回はクラウドファンディングの力を借り、支援者の方々と作る「沖宮」公演を実施させていただきたいと思います。それに向け、通常では販売することのないものも含めた特典をご用意させていただきました。 - ※今回、公演チケットの入手は本クラウドファンディングのリターンのみに限定し、通常販売はいたしません。
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今だからこそ伝えたい、「いのち」の物語
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- <「四郎の亡霊に遭遇」 撮影/上杉遥>
今、新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機により、私たちは先の見えない日々に大きな不安を感じています。
石牟礼道子が「沖宮」で遺したのは、日本人が古くから大切にしてきた生命の深み、そして自然への畏敬の念。
物質主義的な現代においてこそ、まさに見える世界と見えない世界、生者と死者を結びつける鎮魂の芸能である「能」という形を通して、この「いのち」のメッセージを伝えたい。
私たちはそんな想いから、このプロジェクトを立ち上げました。 -
新作能「沖宮」2021 の見どころ
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- <「すはや雨ぞ」 撮影/上杉遥>
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① 金剛流若宗家と宝生流宗家による魂の共演
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- <左:金剛龍謹 右:宝生和英>
- 前回に引き続き、シテの四郎役を務めるのは金剛流若宗家・金剛龍謹。そして今回、新たに宝生流宗家・宝生和英を大妣君(おおははぎみ)役に迎え、2人のW主演(両ジテ)となります。
また、村長役を務めるのは、今回も高安流ワキ方・有松遼一(ありまつ・りょういち)。若き3人の能楽師による、ますますパワーアップした「沖宮」の舞台にご期待ください。 -
② 能舞台×声楽による和洋のコラボレーション
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- <左:村松稔之 右:辻村明香>
- さらに、公演前には能舞台にて、カウンターテナーの村松稔之(むらまつ・としゆき)、ソプラノの辻村明香(つじむら・あきか)による楽曲「アニマの鳥」(作詞:石牟礼道子、作曲:佐藤岳晶)の二重唱もお楽しみいただけます。
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③ 人間国宝・志村ふくみ、染織家・志村洋子による美しい能衣裳
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- <左:志村ふくみ 右:志村洋子>
人間国宝・志村ふくみ、染織家・志村洋子が監修した能衣裳は、すべて草木染めの技法を用いたもの。「いのち」を宿す植物から作られた美しく精神性の高い色は、各登場人物の魂を表現しています。 -
- <左:「祈りの舞」 右:「緋色の衣」 撮影/上杉遥>
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公演当日のプログラム
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- <今回の公演会場となる金剛能楽堂 撮影/上杉遥>
◆◇◆ 新作能「沖宮」 公演プログラム ◆◇◆
日時:2021年6月12日(土) 昼公演 15:00〜/夜公演 18:00〜
会場:金剛能楽堂(京都市上京区烏丸通中立売上ル/地下鉄「今出川」駅より徒歩5分)
〜昼公演 〜
14:15 開場
15:00 ご挨拶、解説(実行委員会代表 志村昌司)
15:10 二重唱
「アヴェ マリア」 作曲:セザール・フランク
「アニマの鳥 」他 作詞:石牟礼道子 作曲:佐藤岳晶
<休憩 15 分>
15:40 新作能「沖宮」
(16:40 終了予定)
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〜夜公演〜
17:15 開場
18:00 ご挨拶、解説(実行委員会代表 志村昌司)
18:10 二重唱
「アヴェ マリア」 作曲:セザール・フランク
「アニマの鳥 」他 作詞:石牟礼道子 作曲:佐藤岳晶
<休憩 15 分>
18:40 新作能「沖宮」
(19:40 終了予定) -
集まった資金の使い道
- 今回の達成目標は935万円で、目標金額に到達した場合のみ実行するオール・オア・ナッシングのプロジェクトです。目標金額に到達しない場合は、すべてのリターンについて全額返金されます。
【集まった資金の使い道】
・会場費
・出勤料
・制作費一式
・ビデオ・写真等撮影費
・装束借用料
・印刷代
・ウェブ代
・交通費
・謝礼
・クラウドファンディング手数料
・消費税
など、集まった資金は新作能「沖宮」公演(2公演分)のために活用させていただきます。目標を超えるご支援をいただけた場合、この新作能「沖宮」を愛し続けてくださるみなさまのご期待に応えられるよう、さらなる「沖宮」プロジェクトの推進に充てさせていただきたいと思います。 -
リスクとチャレンジ
- 新型コロナウイルスをはじめ、社会状況によっては、やむを得ず公演を延期あるいはオンラインのみでの実施に変更させていただく可能性や、各リターンの提供時期が遅れる可能性がございます。その場合も、なるべくみなさまにご納得いただけるよう誠意を持ってご対応させていただきますので、あらかじめご了承くださいませ。
開催にあたりましては、座席数の半数制限など、感染拡大防止に細心の注意を払い、対応に最善を尽くして参ります。公演にお越し下さるお客様におかれましても、マスクの着用や手洗い、うがいなど、感染防止策へのご理解とご協力を頂けますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。 -
リターンについて
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- 新作能「沖宮」公演鑑賞チケットに加え、ご自宅からでも視聴できるオンライン鑑賞チケット。さらに体験型ワークショップから、染織家・志村ふくみの貴重な作品の小裂の額装、世界に1つだけのお着物まで、バラエティ豊かなリターンをご用意しました。
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- また、完全オリジナルの特製草木染めシルクマスクや、京菓子とお茶のセットなど、日常生活でご活用頂きやすいリターンも取り揃えております。
さらに、公演終了後、ご支援いただいたみなさまに実行委員会から感謝の気持ちを込めてサンクスメールをお送りいたします。今回の貴重な舞台写真の「沖宮」ロゴ入り特製壁紙画像(PC、スマホ用)も3枚プレゼントいたしますので、お好きなデバイスの壁紙に設定してお楽しみいただけると幸いです。
※ワークショップ、トークイベントの各会場では、新型コロナウイルス感染症対策 として、共用部分の消毒を徹底する他、手指用アルコール消毒液の設置、適切な距離を保った用具の配置など、安心してご参加いただけるよう準備いたします。また参加者ご自身での検温、イベント中のマスク着用にご協力ください。 -
最後に
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- 新型コロナウイルス感染症をきっかけに自然と人間の関係が見直される中、美しい言葉と色で紡がれた「沖宮」という「いのち」の物語を多くの人に伝えたい。この想いを胸に、プロジェクトを全力で推進していきたいと考えております。
みなさまの温かいご支援、どうぞよろしくお願い申し上げます。
新作能「沖宮」公演実行委員会
代表 志村昌司 -
出演者よりメッセージ
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四郎役:金剛龍謹(能楽金剛流若宗家)
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大妣君(おおははぎみ)役:宝生和英(能楽宝生流宗家)
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村長役:有松遼一(高安流 ワキ方)
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村松稔之(カウンターテナー)
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辻村明香(ソプラノ)
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応援メッセージをいただきました!(五十音順)
- 新作能「沖宮」公演は、多くの著名人の方々にご賛同いただいております。
● 賛同者一覧(五十音順、敬称略)
足立欣也(株式会社 求龍堂 代表取締役社長)
石牟礼道生
糸井重里(「ほぼ日」代表)
玉川奈々福(浪曲師)
中野信子(脳科学者)
中村桂子(JT生命誌研究館 名誉館長)
早川敦子(津田塾大学 教授)
安田登(能楽師)
ヤマザキマリ(漫画家)
米本浩二(『評伝 石牟礼道子—渚に立つひと—』著者)
若松英輔(批評家)
渡辺京二(思想史家・評論家)
その中から、応援メッセージを寄せてくださった方々をご紹介します! -
足立欣也さん(株式会社 求龍堂 代表取締役社長)
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糸井重里さん(「ほぼ日」代表)
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玉川奈々福さん(浪曲師)
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中村桂子さん(JT生命誌研究館 名誉館長)
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早川敦子さん(津田塾大学 教授)
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安田登さん(能楽師)
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米本浩二さん(『評伝 石牟礼道子—渚に立つひと—』著者)
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若松英輔さん(批評家)
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渡辺京二さん(思想史家・評論家)
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