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お知らせとお詫び 2020年10月5日
- 2020年10月2日から5日までの期間、システム設定ミスにより、販売商品が「販売終了」と表示され、購入できない状態にありました。誠に申し訳ありません。ご訪問者の方に誤解を招いてしまったことをお詫び申し上げます。正しく設定し直しましたので、残りの期間、引き続きご愛顧をよろしくお願いいたします。
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新着情報 2020年9月16日
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- 秋が深まり、風が冷たく感じられるようになると、冬はもう目の前です。この季節になると、ワインを楽しむ機会が増えます。ボジョレ・ヌーボーの解禁、クリスマス、年末年始の集いなどがこの先に待っています。気のおけない仲間とワイワイ飲んでも、独りでしみじみ飲んでも、ワインを飲む時間を艶やかに彩ってくれるのが、お気に入りのワイングラスではないでしょうか。ガラス工芸家の関野亮さんが作る「Goblet twist cup O stem」と「Goblet mezza stampatura」は、そんなワイングラスとしておすすめです。
これらの特徴は、まずのそのフォルムにあります。ワインを注がれたワイングラスは、たっぷりと量感のあるカップと少しすぼまった口で香りを閉じ込め、飲む瞬間に香りを放ちます。また、カップに施された螺旋模様や縞模様は、液色を複雑に映します。液色はぶどうの種類や醸造家、熟成度によって異なりますから、グラスを少し傾けながら、この微妙な色彩の世界を楽しみたいものです。関野さんのワイングラスは、そんな密かな楽しみにも応えてくれます。(意と匠研究所代表 下川一哉) -
新着情報 2020年9月7日
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- 秋の足音は確実に近づいていますが、まだまだ残暑が続きそうです。この季節に楽しみたいのが、スパークリングワインですね。シャンパン(フランス)、カヴァ(スペイン)、スプマンテ(イタリア)、ゼクト(ドイツ)…、スーパーやコンビニにも多くの種類が並ぶようになり、手ごろな価格の銘柄も少なくありません。こうしたスパークリングワインをちょっと贅沢に楽しめるのが、細身で背の高いシャンパングラス。ガラス工芸家の関野亮さんが作る「Goblet twist cup W stem」と「Goblet mold cup W stem」は螺旋模様や縞模様がきらびやかで、まさにおすすめです。
スパークリングワインは、目と耳で楽しむ要素が強いワインです。まず抜栓する際のポン!という音は、これから始まる楽しい時間の前奏です。ワインをグラスに注ぎ、泡が液面に盛り上がり消えていく様、また底から泡が立ち上る様を見つめるのは至福の時間です。そしてグラスの口をそっと耳に近づけてください。淡くシュワシュワと弾ける泡の音が、耳を楽しませてくれるでしょう。
スパークリングワインをこんな風に楽しめるように、昔からシャンパングラスは背が高く、径が小さくデザインされています。こうした伝統に則りながら作られた「Goblet twist cup W stem」と「Goblet mold cup W stem」は、テーブルを華やかに彩ってくれます。(意と匠研究所代表 下川一哉) -
クラフツマンシップに則ったもの作りを
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- LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016で大阪府の「匠」にも選ばれたガラス工芸家の関野亮さんが、もの作りで最も大事にしていることは「クオリティーの高さ」。「吹きガラスと言うと、技量が多少足りなくても、“ヘタウマ”として手作りならではの味わいが肯定的に捉えられる風潮があります。しかし私はクラフツマンシップに則ってクオリティーの高いものを作りたい。だから作品作りでは、常に端正なフォルムを大事にしています」と話します。それが如実に表れている作品が、ヴェネチアングラス様式のゴブレット(ワイングラス)でしょう。装飾的でありながら、全体的に凛とした姿で、思わず溜め息が出るほど見惚れてしまいます。
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ヴェネチアングラスに憧れて腕を磨く
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- 吹きガラスの中でも、最高峰の技術が求められるのがヴェネチアングラスです。約800年前、当時のヴェネチア共和国が産業保護政策として、イタリア北部ヴェネチアのムラーノ島にガラス製造業者やその家族を集めて住まわせたことから産地として発展を遂げました。ここで生まれた優れた技術が、その後、米国をはじめ世界中に広まったと言われます。関野さんはガラス工房で働き始めた20歳の頃からヴェネチアングラス様式に挑戦してきました。「現代よりも設備が整っていない環境下で、ヴェネチアングラスがどう作られたのかはあまり解明されていません。私はそこにロマンを感じ、敬意を払って腕を磨いてきました」と関野さん。そして最近、ようやく満足いく技術を獲得したと言います。異彩・超絶の技は二十数年かけて手にしたものだったのです。
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透明ガラスで作るヴェネチアングラス
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- 本場のヴェネチアングラスには色鮮やかな作品が多いのですが、関野さんは自らの作品を透明ガラスで製作します。そのためヴェネチアングラス特有の超絶技巧が細部に至るまで際立って見えるのです。常に「完成形のイメージを頭に描きながら作る」と言う関野さん。フォルムを決める時に頼るのは手の感覚のみ。ただし装飾を施す時にのみ、型を部分的に用います。よく用いるのは内部がギザギザの星形になった金型で、溶けたガラスを押し込み、取り出した後、線模様やツイストした筋模様をつけます。さらにもう1つの特徴は、ゴブレットのカップとステム(脚)の付け根が非常に細いこと。装飾的ではあるけれど、洗練された印象を与えるのは、このメリハリを効かせたバランスの良さがあるからでしょう。
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紅白をモチーフにしたポップな酒盃
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- 関野さんが独立した頃から作り続けている代表作の1つに、「white and red 酒盃」シリーズがあります。ガラス工芸の正統としてヴェネチアングラス様式を追求する一方で、関野さんは日本人作家としてのアイデンティティーを探し求めてきました。そこでたどり着いたのが、日本の国旗の色であり、日本でおめでたい色として周知されている紅白をモチーフにすることでした。紅白で大きなドットや円を見込みに描いた酒盃は、和の雰囲気を留めながらも、ポップでおしゃれな印象。さらに胴から高台にかけては、マットなガラス特有の優しく柔らかな表情で、関野さんらしいセンスが宿っています。
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素材を超越したオブジェのような酒盃
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- さらに「素材を超越したオブジェのような作品を作りたい」という思いから生まれたのが、「金硝酒盃」と「白金硝酒盃」シリーズです。見込みは石のようなマーブル模様。そして胴から高台にかけては金色もしくは白金(プラチナ)色に輝き、一見、ガラス工芸品には見えません。吹きガラスで形作った後に表面を削っているので、直線的な形状で、ザラザラした質感を残している点が特徴です。さらに酒盃の上下をひっくり返してみると、面白い表情に出合えます。高台は放射線状の模様、底は槌(つち)で叩いたような凸凹模様となっており、細部にまで趣向が凝らされているのが分かります。
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造形時間が短いから試行錯誤を重ねやすい
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- 関野さんは高校卒業後、もの作りへの興味から、デザイン専門学校に進みました。そこでプロダクトデザインを学ぶ一方、ガラスデザインコースを選択し、バーナーワークや吹きガラスの技術を習得しました。溶けたガラスを膨らませることの難しさや、燃え盛る炎を前に火傷を負うのではないかという恐怖がある一方で、練習をすればするほど上手くなる手応えを感じ、たちまち吹きガラスの虜となりました。「吹きガラスは勝負が早い。シンプルな形状のグラスであれば、造形にかかる時間はわずか15分なので、結果がすぐに分かり、何度も試せます。その点が自分の性分に合っているのだと思います」と関野さん。専門学校卒業後は日本国内のガラス工房で数年間働き、さらに「海外の吹きガラス事情を知りたい」とオーストラリアの工房で1年間働きました。その後、大学で副手や技術指導員を務めながら作品作りを開始し、31歳で独立。独立後も米国のグラスアートスクールが催すワークショップにインストラクターやアシスタントとして参加するなど、関野さんは感性や技術を積極的に磨いてきました。
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意と匠研究所がサポート
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- 意と匠研究所は、これまでも、これからも挑戦を続ける関野さんを応援していきます。ここでご紹介する製品の売り上げの約23%をいただき、関野さんの活動や製品について取材や原稿執筆、写真撮影、編集などを丁寧に行い、また新規開発に対してもアドバイスを適宜行っていきます。
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