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現代版・琉球古典焼ビアマグカップ 沖縄のやちむんの原点「壺屋焼」の新たな挑戦!
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- 明治初期、本土から安価で丈夫な磁器が、大量に沖縄に入ったことで、一気に市場を奪われた壺屋焼。そんなさなか県外出身の商人からデザインの注文を受けて作られた焼物が「琉球古典焼」です。これらはこれまでの「日用雑器」というイメージとは違う「魅せる壺屋焼」という価値を生み出しました。しかしこの昔ながらの琉球古典焼は、「日常の器」が主流となった現代のやちむん(焼物)業界において、見かけることが少なくなりました。今回はその琉球古典焼の特徴を活かし、これらの技術技法を駆使した「新しい琉球古典焼」の解釈で器を表現し壺屋焼の価値を再発見できたらと思います。
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琉球古典焼の技法を、現代の形へ落し込み
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- 琉球古典焼で用いられた「タックワーサー」という、立体装飾を貼り付けるという技法を使って、ビアカップという現代でも使われる形へ落とし込むことで、古典と現代を違和感なく掛け合わせた、琉球古典焼を表現しました。
またタックワーサーをした装飾は、「山羊」をモチーフにエンブレムとしてデザインし、釉薬を金属のような色合いにすることで、昔の西洋の王族や貴族が使っていたような存在感と、重厚さを兼ね備えたカップに仕上げました。 -
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最もこだわった釉薬の表現
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- ビアカップの中の釉薬は、真鍮と米の籾殻を混ぜて作った壺屋焼の伝統的な釉薬である「緑釉」をベースに新たに調合を行いました。
何層にも重なった緑や青の釉薬が、表の金属的な釉薬とは全く違った、奥深い表情に仕上がりました。
今回最も難しかったのが、カップの表に用いられてる、金属のような釉薬の表現です。
火の当たり具合によって色が変わってしまうため、今回の色を確実に出せる窯の場所を見つけ出すまでに、数十回の焼成のテストを経て完成しました。
また、より一つ一つの器の変化を感じられるようにするため、焼成後も特別な加工をして仕上げています。 -
手作りならではのいびつさ、ゆらぎを活かす
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- 出土されたような風合いや経年変化した質感、陶器特有の自然現象による亀裂やいびつさをそのまま活かし、エンブレムである山羊の紋章を生々しく浮き立たせることで、より一点ものとしての価値を高めました。
ー山羊の意味ー
山羊というのは昔から、沖縄の人びとの生活を支える糧でした。
祝い事の際には、山羊を潰しご馳走として振舞われている伝統は今も続いています。
沖縄の人々の生活を支え、縁起物の象徴でもあった山羊をモチーフにエンブレムとしてデザインし、琉球古典焼でよく用いられた「タックワーサー」という技法で施しました。 -
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壺屋焼窯元育陶園7代目の挑戦
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- 10数名の職人を抱える育陶園は、沖縄のやちむん窯元の中でも最大規模を誇ります。
一番の特徴は「チームワーク」。
100年後に残る沖縄の景色となるよう、壺屋焼を壺屋の地で作り続けていられるよう、若い職人から30年以上のベテラン職人が力を合わせ、時には外部のデザイナーと組みながら、日々の暮らしを豊かにするモノづくりを考えています。
そんな育陶園の時期陶主・7代目高江洲尚平は、これまでの工房のスタイルであった、「人の手で生み出す最大の量産」と「日常のモノづくり」から、限りある沖縄の土などの資源をなるべく消費しないような「少量生産」のモノづくりを目指したいと、器や獅子一つ一つに最大の付加価値を付け特別な逸品となるような、「非日常のモノづくり」を目指し、壺屋焼に新たな価値や可能性を見出そうと模索しています。 -
- 今回のプロジェクトは、その7代目が考案し、ロクロ成形から、形の削り出し、釉薬調合・釉薬掛けまで、すべて手がけた数量限定の作品になります。
ぜひこれからの取り組みとともに、応援していただけたら嬉しいです。 -
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壺屋焼について
- 琉球王府は1682年各地に分散していた3つの窯場(現在の那覇市泉崎・首里・沖縄市に位置する)『湧田・宝口・知花』を那覇市の牧志の南に統合し、その土地を『壺屋』と呼び、そこで作られるやちむんのことを『壺屋焼』といいました。これが壺屋焼の歴史の始まりです。
1976年には壺屋焼は通産大臣より"伝統的工芸品産業"に指定されます。国指定の伝統工芸品です。 -
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朝を楽しむ器シリーズ
- 育陶園で展開しているブランド「guma guwa(グマーグワー)」を代表する、朝をテーマにしたモーニングシリーズ。
一日のはじまりの“朝”を楽しく、軽やかに過ごせるようにと、厚くて重たいイメージのあるやちむんを、極限まで軽く削り、さっと持ち運びしやすい軽さと形にこだわり、絵柄は一つ一つ丁寧に下書き無しで仕上げています。
シンプルで使い勝手のよい形。
繊細な女性の手にもなじみやすい、軽さと薄さと持ちやすさ。
手描きの温かみがあり、手に取るたびに、ほっこりする。そんな器を目指しています。 -
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- 今回そんなモーニングシリーズから、「ローリエ」「ヤングリーフ」の2柄より、マグカップ、ボウル、プレートの3点セットに可愛いリボン型の箸置きをつけたセットを作りました。
※左から「ローリエ」「ヤングリーフ」の順 -
- 今回未来ショッピング限定でついてくる、かわいいリボン型箸置です。
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「朝活」はじめてみませんか?
- そんなguma guwaのモーニングシリーズをきっかけに、いつもよりも少しだけ早起きして、やわらかな朝日を浴びながら、朝ごはんをつくる。朝ごはんを食べる。
「心地よい朝活」はじめてみませんか。
朝の時間が豊かなら、その日はきっと、しあわせ。