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はじめに
- 今回ご紹介するプロジェクトは、司牡丹酒造の歴史上、最高峰の純米大吟醸酒「座(THE)司牡丹」です。このプロジェクトを通して、司牡丹酒造の杜氏の素晴らしさを知っていただくために、杜氏にフォーカスした商品を企画しました。
杜氏が、酒造りの考えられ得るすべてにおいて究極を追求し、佐川の風土を具現化したその一滴一滴を、ぜひともお楽しみください。 -
高知県高岡郡佐川町の紹介
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- 佐川町は、高知県の中西部にある町です。植物学者「牧野富太郎」博士の生誕の地としても知られています。昼夜の温度差が大きい気候で、お茶やいちご、新高梨、りんごなどの果物づくりがさかんな地域です。
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司牡丹酒造株式会社の紹介
- 慶長8年(1603年)創業。「土佐」「本物」「エコロジー」にこだわった美味しい日本酒を製造販売し、人々にワクワクするような日本酒の愉しさを伝道する。その結果、個人には元気と健康と幸せを、社会には潤滑で円満な人間関係をもたらし、世の中に進歩と調和をもたらすことを使命としています。
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杜氏・浅野徹(あさのとおる)について
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- 司牡丹酒造では、軟水醸造法の元祖といわれる広島杜氏を昭和6年より招き、全国清酒品評会にて3度の優等賞を受賞。昭和13年には、四国で唯一の「名誉賞」を受賞して、四国一の銘酒の地位を不動のものとしました。それ以来、優秀な広島杜氏を招き続け、その伝統の軟水醸造法の技を、連綿と伝え続けてきました。そして、平成16年より、その広島流軟水醸造法の技を余すところなく受け継いだ浅野徹が、杜氏に就任しています。
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素晴らしい日本文化として世界中に広がっていく姿を見守りたい
- 日本酒は、製造に必要な原料(米)・醸造法ともに、昔から確立された姿で人々に愛飲され続けてきました。しかし、最近は原料である米の品種改良や、精米技術の確立や進歩はめざましく、醸造法についても冷却技術等の発達、こうじや酵母も改良により、急速に姿を変えてきました。それらが変化していく中で、少しでもよいものを目指して造り続けている日本酒の可能性は、これから先も目が離せないものであり、どんな姿に成長していくのか、とても楽しみな世界だと思っています。
長い歴史を持つ日本酒が、素晴らしい日本文化として世界中に広がっていく姿を見守っていきたいと思います。
酒の造りは、ものづくりといっても形あるものを作る職人ではなく、ある意味では、無形で人の記憶にしかとどまることができないもの。そして、微生物などを扱って醸すことの難しさなど、わかりにくい部分があるだけに、やりがいと誇りを感じながら携わることができる仕事だと感じています。 -
杜氏になることを決意したきっかけは、突然訪れた
- 東京農業大学の醸造科に入学したことが、日本酒業界に入るきっかけとなりました。
醸造といってもさまざまな業種があり、都会であればたくさんの選択肢があるのですが、私の故郷である高知県では、醸造業種は少なく、その中で日本酒製造の会社を選択したことが酒蔵人生の始まりでした。
そして30歳の頃に今の司牡丹に転職し、現在に至ります。日本酒業界に入った当初から杜氏になろうと思っていたわけではなく、漠然と「前任の杜氏が引退した後に、自分が引き継ぐのかな」という程度の思いしかありませんでした。それが18年前の夏、前任の杜氏の突然の訃報が届き、酒造りまで3カ月程しか時間がない中で、社長からの指名で急きょ杜氏の大役を引き受けることになりました。
前任は寡黙な人で、ほとんど何も教わっていない状態からのスタート。ベテランの蔵人(くらびと)や前任の背中を思い出しながらの滑り出しでした。
現在の新しい蔵は、私がたたき台から機械の選定まで行いました。そのスタート時期と杜氏就任が重なり、今思い返すと大変な時期でしたが、「よい水と環境、そしていいスタッフがいれば、いいものが絶対できるはずだ」という信念だけで造っていたような気がします。その後、現在に至るまで、常に前進することを考え、今後も少しずつでも進歩してきたいと考えています。 -
座(THE)司牡丹とは
- 地域の風土を具現化し、製法・原材料に徹底的にこだわった地酒です。
地元の佐川町にこだわり、考えられる限り、すべてにおいて究極を追求しました。 -
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原材料のこだわり
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- 原料米は、高知県高岡郡佐川町永野埴生ノ川(はぶのかわ)地区の最高品質の永田(ながた)農法「山田錦」を使用しています。永田農法とは、永田農業研究所代表の永田照喜治(ながたてるきち、1926~2016)氏が創始した農法で、スパルタ農法、原産地再現農法とも呼ばれる農法です。一般に野菜の原産地は厳しい風土が多く、あえてそれと同じような条件で、農薬はもちろん、水や肥料も極力与えず栽培すると、植物本来の生命力が目覚め、あたかも先祖返りしたように活力あふれた姿になります。そして、人間にとっての有害成分が少なく、栄養価が高く、健康にもよい作物になると言われています。お米の原型をそのままに中心部のみを残すため、時間をかけてゆっくり精米する扁平精米法(※)にて、精米歩合35%まで精米しました。
※扁平精米法とは、玄米の表面をどの部分でも均等に削り取る独自の精米御技術。タンパクを効率よく除去し、有用なでんぷんは無駄なく残します。 -
仕込み水のこだわり
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- 司牡丹の仕込み水は、「水質が最も良好な河川」にも選定され、清流としても名高い「仁淀川(によどがわ)」水系の湧き水(軟水)を使用しています。
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酒母のこだわり
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- 高知県工業技術センターの開発した高知酵母「AC95」を使用した速醸(そくじょう)仕込みです。
カプロン酸エチル(デリシャスリンゴ風の香り)と酢酸イソアミル(メロン・バナナ風の香り)をベストな状態で引き出すため、この酵母を選定しました。
カプロン酸エチルを高めに引き出し、その半分程度の香気に酢酸イソアミルを抑えることにより、司牡丹の理想とする華やかで、かつナチュラルさのある吟醸香が実現できたと考えています。 -
こうじのこだわり
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- 伝統的なこうじぶたを使用した手仕込みで、名杜氏浅野徹が熟練の技を駆使して、見事な「突き破精(つきはぜ)」型のこうじを造り上げました。
蒸米の表面にこうじ菌の菌糸がまだらに斑点状に生え、内部に向かって深く入り込んでいるものを「突き破精」と呼びます。
より香りが華やかで、味わいが美しい大吟醸酒を醸すためには、この「突き破精」型のこうじが何より不可欠なのです。 -
仕込みのこだわり
- 総米重量750kgの特別小仕込みにて、低温長期発酵させています。
通常、最高ランクの大吟醸酒でも35日程度のもろみ日数であるところを、低温にて、よりゆっくりゆっくり発酵させることにより、38日以上のもろみ日数となっています。これにより、軽やかな味わいの中にも、緻密に織り込まれたような深みが感じられるようになったと考えています。 -
搾りのこだわり 袋吊り搾り
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- 圧力は、自身の重さと地球の重力のみによる「袋吊り搾り」で、雑味的な味わいがまったくといっていいほど感じられない、よりピュアな味わいを生み出しています。
「袋吊り搾り」にて搾られるのは、「座(THE)司牡丹」として商品化される、720ml瓶わずか250本分のみです。 -
瓶詰め・火入れ・貯蔵のこだわり
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- 搾り上がった酒は、すぐに低温状態に置かれ、おり引きのみを行い、無ろ過にて瓶詰めしました。
これにより、ごくごく微々量ながら炭酸ガスが酒中に残り、飲み口に心地よいほのかな爽やかさが広がります。
火入れは手作業の瓶燗にて行い、火入れ後は急冷し、マイナス5℃以下の冷蔵庫にて、出荷日まで低温貯蔵熟成させます。これにより、アルコールが丸みを帯び、味わいが一層まろやかに感じられるようになります。 -
商品について
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座(THE)司牡丹
- 地域の風土を具現化し、製法・原材料に徹底的にこだわった地酒です。
地元の佐川町にこだわり、考えられ得るかぎり、すべてにおいて究極を追求しました。 -
- 容量:720ml
種別:純米大吟醸
原料米:山田錦 -
お届けについて
- ご購入から2週間程度でお届け
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飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁じられています。
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妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は適量を。