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希少な美味しい国産羊肉を食してみませんか?
- 日本では、なかなか国産の羊肉を食べる機会は少ないのではないかと思います。
それもそのはず。国産の羊肉の流通は、わずか1%以下。
他の動物に比べても、年間に平均1.5頭しか出産しない動物なので、その分育てられる広い環境と、長期的に愛情を持って育てられる人がいてこそ、成り立ちます。
そんな貴重な羊肉を出荷している牧場を、今回ご紹介させていただきます。” 地域の自然を生かし、共生する” をコンセプトにした宮城県南三陸町にある「さとうみファーム」。
地域の自然素材と、羊を掛け合わせた商品を数多く提供しています。その中でも、ユニークなのは、漁業が盛んな南三陸町で獲れたわかめの未利用部分を飼料にして育てた「わかめ羊」の羊肉。 -
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地域のつながりと素材を活かした「わかめ羊」
- 私は、東日本大震災後、2011年5月より津波の被害の大きかった宮城県気仙沼市でボランティア活動を行い、8月より南三陸町にて、子どもの居場所づくりなど様々な活動を行なっていました。復旧から復興へのフェーズになった時、持続的な復興と地域課題解決のためには、収益事業で雇用を生み出して活動を継続する必要があると感じました。
そんな時、知人からオーストラリアの原野に生息する、「ソルトブッシュ」というミネラルを豊富に含んだ植物を食べて育つ、高級ブランド羊肉の存在を教えてもらいました。多くの人々は、土地が塩害にさらされ、動植物を育てるには適していないと思われた土地で成功した、オーストラリアの最高級羊肉。
南三陸町沿岸部で塩害を受けた地域でも、同じように羊を育てることができるのではと考え、飼育を試みました。羊も様々な種類から、この土地に合った羊を育てながら見極めていきました。そして、地元の漁師さんの力を借りながら、三陸産の高級わかめの未利用部分を羊に食べさせることで、地域資源を活用する、新たな循環を生むことができました。 -
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ユニークさだけでなく栄養や味も評価
- 「実は、わかめの飼料を食べる事で旨味成分が増す事が数値的にもわかったんです。」
乾燥させて干し草のようにしているのではなく、茎を生のまま砕いて、様々な飼料と混ぜて水分調整の上、乳酸発酵させています。そうすることで、羊も喜んでこの餌を食べてくれるんです。このわかめが含まれた飼料を羊に与えることで、三大旨味成分の一つであるイノシン酸が約6倍に増えることがわかりました。さらにオレイン酸も約2割増えるという結果も出ています。この分析結果は、人間の味覚を再現できる味覚センサーを使って分析しました。(分析依頼先:株式会社味香り戦略研究所)
南三陸の素材を活かした餌で、美味しさもしっかりと担保され、健康的に育つ画期的なお肉を育てる方法なんです。こういった飼料のユニークさだけでなく、味や栄養が評価されていることで、「わかめ羊」として都内の高級レストランでも取扱っていただけるようになりました。
現在も、飼料はまだまだ開発中で、町内にある「南三陸ワイナリー」のワインの搾りかすを餌に混ぜるなどの研究をしています。
また、他の動物がこの飼料を食べた時の効果についても様々な検証を進めています。羊の次は、馬や牛など、未利用資源を活用した飼料のさらなる活用を模索しています。 -
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未利用資源はわかめだけでない。資源を大切にする取り組み
- 私たちは、資源の有効活用とアップサイクルにも力を入れています。羊肉以外にも、羊を育てる上で出てくる資源を活用した、多くの種類の商品を販売しています。最近人気が高いのは、飼料袋の耐久性を活かしたエコバッグ。柄が珍しいと都内での販売の際にも、評判がとてもよい一品です。また、ウールに関しても、洗浄から糸を紡ぐ過程まで手作業で行い、商品を製作しています。こちらの商品は、南三陸の土地を活かした草木染めや木材とのコラボレーションなど、南三陸の魅力をぎゅっと感じていただける内容になっています。
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わかめ羊のおいしい食べ方
- 私たちのイチオシの食べ方はジンギスカン。
南三陸のさとうみファームまで来ていただければ、ジンギスカンを楽しんでいただくことも可能です。
お家で食べる時は、フライパンなどで気軽にお楽しみいただけます。
臭みもないので、家庭での調理でも安心です。
焼き肉として食べる場合、300gで2人分くらいの量となります。 -
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みなさんへメッセージ
- 私たちのファームには、羊一頭一頭と会話をするように優しく接する若手スタッフや、漁師の奥さんとして漁師の仕事をこなしながら羊毛の仕事を支えてくれる地域のスタッフなど、1人ひとりの個性に支えられてここまで続けてくることができました。
今後も、しっかりと「さとうみファーム」として、雇用を生み出し、新しい可能性を一緒に育てながら、様々なことにチャレンジしていきたいと思っています。
「わかめ羊」もファンを増やしていき、多くの人に愛されるブランド肉として成長させていきたいと考えています。是非この機会に一度召しあがってみてください。今までの羊肉への「臭みがある」「食べにくい」といった漠然としたイメージが変わると思います。
他の肉以上に食べやすく、ヘルシーに感じていただける「わかめ羊」を味わってもらえると嬉しいです。
売上の一部は、「わかめ羊」の拡大に向けた取り組みに活用させていただき、より多くの方々に楽しんでいただけるように努めてまいります。 -
有楽町microにて今回のプロジェクトの商品を展示しました
- 今回の南三陸特設ページでご紹介している事業者の商品を、有楽町microにて3月1日〜3月31日まで展示しました。
会場のご案内
店舗名: 有楽町 micro FOOD & IDEA MARKET
アクセス: 東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1F
営業時間: 11:00-19:00 -
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