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2020.06.30 品切れお礼・お詫びと、今後の一般販売のお知らせ
- ページ公開からわずか1週間で、今回ご提供する製品すべてが品切れとなりました。誠にありがとうございました。
製品にご興味をお持ちになってくださり、このページを今ご覧くださっている皆さま、品切れとなってしまい、申し訳ありません。
原材料の調達に限りがあり、初回生産数をここまでとせざるをえない状況にあります。ただただお詫び申し上げます。
本製品「和 NAGOMI Professional」は、来年春には弊社ECサイトと未来ショッピングにて一般販売を開始する予定です(一般販売開始時は、今回の価格と異なりますこと、どうかご容赦ください)。
ただ、来年春以降の生産数にも限りがございます。
事前予約のご連絡を、三星刃物(担当;三島)宛てにメールでいただきましたら、優先的にご対応いたします。
mitsuboshi-cutlery@mc-seki.co.jp
どうぞよろしくお願いいたします。 -
製作者の想い
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- 私たち三星刃物は、明治6年の創業です。刀鍛冶だった曽祖父の代から、ここ関で刃物づくりをただただ続けています。
ちょっと大げさに聞こえたら申し訳ないのですが、そんな私たちが「これは、“まぼろしの鋼材”としか言いようがない」という材料を、創業から150年を目前にして、ようやく見つけたんです。
まず、そこまでの経緯をお伝えさせてください。 -
自社ブランドを、ここ関から…
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- 私たち三星刃物は、国内市場はもちろん、北米を中心とした海外市場に長らく打って出ています。刃物の街である関で培った技術を、世界中の人たちに知ってもらいたかったからです。
でも、泣きどころもありました。海外に向けた私たちの仕事は、ずっとOEM(相手先ブランドでの生産)だったのです。納入価格を叩かれることもしばしばでしたし、ときには必死でつくった設計図を相手に渡したら、もうそれっきりということもありました(後から調べたら、別の国のメーカーに製造させたらしい)。
これではいけない、と、2010年代に入って、自社ブランドを育てることを決意しました。それが「和 NAGOMI」というシリーズです。 -
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- もしよろしければ、こちらをご覧くださればと思います。
- ただ単に、自社の名前を冠するだけでは、独自の魅力が伝わらないことは明白でしたから、過去どこにもなかった包丁やナイフを送り出さねばと、社員みんなで頑張りました。
- そして、この「和 NAGOMI」は、日本国内にとどまらず、欧米でも評価を受けました。「自宅でも、大人気のレストランでも、これは間違いなくお金を投じるに値する」「この包丁の製作者は、シェフと家庭料理の両方のニーズを理解したことは明らかだ」(ともに「OWNER’SMAG」より抜粋して和訳)。
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- また、3年前に、「どんな硬いのも、どんな軟らかいのも、これ1本ですんなり切れる」というチーズナイフを完成させました。ご家庭だけではなく、プロの料理店にも高い評価をいただいています。
- 2年前、NHK BSプレミアム「イッピン」で私たちの商品が取り上げられたことも、大きな励みとなりました。
- さあ、ここからが今回の本題です。
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秘密のステンレスな理由は…
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- 画像はイメージです。
- 冒頭でお話しした通り、創業150年を前にして、ようやく「これだ」という素材を、私たちは手にすることができました。刃物にする原材料そのものの話です。
ステンレスなのですが、鋼と見まごうほどの切れ味。しかも、その切れ味が長く継続して、研ぎやすく、錆びにくい(そもそもがステンレスですから)。
こうやって言葉にすればごく簡単ですが、それがどれだけの価値をもつ話なのか、日ごろ包丁を握るみなさんであれば、ご理解いただけると思います。切れ味と使い勝手を高いレベルで両立させるのは、現実には無理とされてきましたからね。 - 「切れ味」はもちろんですが、「研ぎやすい」というところにご注目いただきたいのです。元来、硬度の高いステンレスは砥石に滑って研ぎづらいのに、今回の包丁が例外的にきわめて研ぎやすいのは、用いているステンレス素材がいかに鋼に近いかの証左です。
- このステンレス素材を包丁に用いることができるのは、私の知る限り、ここ、関だけであると思います。使えばわかっていただける、プロの料理人さんも納得の品だと確信していますけれど、このステンレス素材そのものの入手が困難きわまるからです。
- 「それ、どんなステンレスなのか」。訝しげに感じる方もいらっしゃると思います。すみません、私たち自身、鋼材のスペックを世に出すことを止められています。このステンレスを使えるよう、私たちは素材を扱う先に2年間かけて何度も頼み込んだ結果、そのことを条件に手に入れられるようになりました。
あまり世に知られていない素材です。どうかお許しください。 - ただ、開発途中の段階で、知り合いである国内の料理人さんからの声は得ています。ミシュランシェフをはじめ、何人もの実力派料理人さんに、試作品を使ってもらったところ、嬉しい声が返ってきました。一部をご紹介しますね。
「食材にストレスなく入っていく切れ味が、非常に優れていた」
「断面がとてもきれい。切れ長もよい」
「刃の形をつくりやすい。研ぎやすさに関してネガティブな要素が見つからない」 -
素材の入手に1年は優にかかる…
- 開発の経緯に話を戻します。
このステンレス素材、刃物づくりに長年携わってきた私たちでも、入手するのに1年はかかり、そのため製造できる数量が限定されてしまいます。
それでも……。刃物屋として、製造を止めるという選択肢はありませんでした。創業150年近くを経て、初めて出逢えた素材ですから。 - 実際に包丁を試作してみたら……。やはり凄かった。食材を極力きずつけず、文字どおり「生かす」、そんな切れ味と言っていいと思います。そして、先ほど触れましたように、何人もの料理人さんからの評価を得られました。
- ここからさらに、柄の形状をブラッシュアップするなどして、「和 NAGOMI Professional (プロフェッショナル)」と名づけた、今回の包丁が完成をみました。
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- 先日、英国研究機関 CATRA社による完成版の包丁の試験結果が、私たちのもとに届きました。切れ味は最高評価の「Excellent」、切れ長も「Very Good」でした。これは、刃物の切れ味に関する、ISOの国際基準となっている試験です。ここから、今回完成をみた包丁がどれだけのものか、ご想像いただければと思っています。
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みなさんに育てていただきたくて
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- プロの料理人のみなさん、そして、ご家庭での料理づくりにいそしむ愛好家のみなさん。私たちから、ひとつのお願いがあります。
- まず何をおきましても、こうして完成形となった「和 NAGOMI Professional」の「第一号の使い手」に、ぜひになっていただきたいというお願いです。
もうひとつ、切なるお願いごとがあります。
みなさんの手で、この包丁を一緒に育てていただきたく思うのです。
改良すべきところ、そのまま保持すべきところを、ぜひお教えください。今回のクラウドファンディングでは、原価から考えますと利益相当分をかなり絞って、みなさんにお届けいたします。その代わり、と言っては恐縮ですが、ご使用になった印象を、私たちにお寄せいただけますでしょうか。アンケートを後日お送りしますので、どうかご協力ください。 - 不安になっては申し訳ありませんので、そのアンケート内容をあらかじめお伝えします(こちらよりご参照ください)。もちろん、お答えいただける範囲で結構です。
- 「和 NAGOMI Professional」をさらにブラッシュアップした包丁をつくるための支えとさせていただきます。
- また、もしもお気に召していただけたら、SNSなどで、ひとこと、この包丁に触れていただけますと幸いです。それが職人一同のおおきな励みになります。
最後に。今回ご支援いただきましたら、次のことをお約束いたします。
・刃先への名入れ(ご希望の方に無料にて)
・研ぎ直し1回目を無料(弊社へのご送付時の送料のみご負担願います)
・補修1回目を無料(研ぎ直し1回目の際に、同時に補修いたします)
そして最も大事な約束です。私たちは、「和 NAGOMI」のコンセプトのもと、
お使いになってくださる限り、みなさんの料理人生に寄り添って、ずっとサポートいたします。 -
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プロにも、ハイアマチュアにも…
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- 三星刃物の商品、私個人としても日常使いしています。包丁は料理の腕を上げてくれます。また、同社のチーズナイフは硬いのも軟らかいのも謳い文句通り、あっけないほどにスパッと切れます。やるなあ、と思いましたよ。
- そんな同社が、プロの料理人さんや、料理愛好家の方々に向けた商品を開発したという話ですね。
- この三星刃物は長年、OEMで鍛えられてきた老舗の地場企業です。北米の大手どころなどとの取引を通して、その実力を磨いてきたと聞きます。
今回の「和 NAGOMI Professional」は、そんな同社が、地場産業に携わる1社として、次に何をなすべきか、と考え抜いた結果の新商品と受け止めました。 - いま、コロナ禍での厳しい状況下でも、多くの料理人さんが、店のスタッフのため、お客のため、そして食材の生産や流通に関わるみなさんのために、料理の手を止めず、ご奮闘されていること、存じ上げています。そうした料理人さんに、ぜひこの包丁のことをお伝えしたい。
- また、ご家庭での料理を続ける愛好家の方にも振り向いていただければと願っています。アマチュアの料理愛好家の方には、「三徳」が良さそうですよ。日常使いにぴたりハマります。
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- 画像はイメージです。
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共創のために、ぜひお力をください
- “まぼろしの鋼材”なんです、という言葉を三星刃物から聞いて、正直、本当かよとも思いましたけれど、数週間使ってみて、こういうことかと納得しました。同社が、素材を「生かす」と表現したのが、私なりに理解できました。プロの料理人さんや料理愛好家の方であれば、もっとご納得するのでは、とも……。
三星刃物が、皆さんにアンケートをお願いしたい気持ちはわかります。みなさんと一緒に、この包丁をはぐくんでいければという思いなのでしょう。ここ数年、「共創」という言葉が注目されています。商品は1社の力だけでは成長していかない、たくさんの方のお知恵を得ながら商品の新しい価値が創造されるということですね。
ぜひ、日本の地場産業発の「共創」に、お力を賜ることができればと思います。 -