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和傘の美しさを日常へ
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- 和傘は元々、権威を示すために用いる特別な物で、庶民は笠と蓑(みの)を使っていました。
和傘が庶民に流行ったのは、人々が装いを楽しむようになった江戸時代でした。 -
- 張った和紙を打つ雨の音、晴れて太陽の光がやわらく透ける和紙、均等に整列する整然とした竹骨、施された粋な柄…
和傘は単に雨風をしのぐ道具としてだけではなく、ファッションを楽しむアイテムとしても愛されてきました。
しかし、現代では日常でその美しさに触れる機会もめっきり減ってきています。 -
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和傘照明【古都里】
- 古都里はそんな和傘の美しさそのままに、近代的な空間に溶け込むようモダンにデザインされた照明器具です。
現在はコストダウンのために細部の意匠を省いた『普及版』が多く流通していますが、この度、初期のデザインモデルを【D-model(ディーモデル)】として復刻いたしました。 -
- 古都里は和傘を模しているのではなく、京都の老舗和傘屋『日吉屋』が和傘と同じ作り方で作っています。
和傘と同じように開閉するのが古都里の特徴です。 -
- 一本の竹骨の先を割き、縦に並ぶ竹骨を挟みます。
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- 竹骨にあけた穴を重ね、紐を通して結びます。
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- 木に溝を切り、竹骨をかませます。木と竹は小さな穴が開いており、紐を通して結んでいます。
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- 和傘と構造が同じため、開閉が可能です。
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和紙について
- 和紙は数ある候補から越前和紙の『王朝紙』という、細かい格子状の布目模様が浮き出た品のある和紙を選びました。
この王朝紙は、平安時代の女性達が恋文をしたためたという逸話もあります。 -
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灯具について
- 『灯具(とうぐ)』と呼ばれる電球とシェードを固定する器具は、通常既成のものを利用することが多いです。
しかしその形が曲線的だったため、初期のデザインモデルは全体的に直線的なデザインに馴染むよう、一からデザインしました。 -
- 普及版の黒色に対して、復刻版はホワイトブロンズメッキで仕上げています。それにより、竹と和紙という天然素材に馴染みつつ、シャープな印象を演出しています。
灯具のコードはコーティングされ、存在感を極力小さくする工夫がなされています。 -
- 灯具とシェードを固定する金具も、ホワイトブロンズメッキを施しました。
小さな違いですが、シェードの雰囲気を妨げず、部屋に設置した際に他のインテリアに馴染むための大きなこだわりです。 -
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古都里の誕生ストーリー
- 『日吉屋』は江戸時代から続く京都の老舗和傘屋であり、今や京都で唯一残る和傘屋でもあります。現在の当主である西堀さんは、奥さんの実家でつくる和傘に魅入られ、公務員を辞めて五代目当主を継ぎました。
そして、和傘の現状に危機感を感じ、和傘の可能性を模索する西堀さんが出会ったのが、照明デザイナーでもある弊社の長根でした。
“ 和傘の美しさを現代の日常でも感じてほしい ”
2006年、そんな共通の思いから生まれたのが古都里です。 -
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和傘屋だから作れる照明にしないと意味がない
- 長根がデザインする際に打ち立てたコンセプトは二つでした。
まずは、和傘屋だから作れる照明にすること。和傘の作り方・部材・職人・技術・すべて活かすデザインにすることで、和傘の伝統を未来に残すことができると考えました。
二つ目は、海外の方にも受け入れられる、モダンなデザインであること。日本の伝統を新しい感覚で取り入れる海外の方にも愛されるデザインを心がけました。 -
古都里の評価
- 古都里は発表後、国内外の展示会で好評を博し、2007年グッドデザイン賞特別賞(中小企業庁長官賞)や、ドイツのデザイン賞であるFORM# などを受賞しました。
海外輸出も15カ国に渡り、国内外の方々に親しまれています。
『和傘の需要減にともなって、京都の和傘づくりの技術が途絶えてしまう』その恐れを払拭するかのように、日吉屋の業績はV時回復となりました。 -
展示会の様子
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普及版の誕生
- その後、西堀さんの『もっと多くの人に、手軽に古都里に触れてほしい』という思いから灯具を既製品にしてコストダウンさせた『普及版』が誕生し、初期のデザインモデルは役目を終えます。
普及版により、個人宅はもとより商業施設の照明器具としても多く使われることになりました。 -
初期デザインモデルの復刻
- ” 和傘の美しさを現代の日常でも感じてほしい ” という当初の思いは叶えられましたが、それと同時に初期のデザインモデルを惜しむ声もいただいていました。
その声にお応えすべく、この度初期のデザインモデルを【D-model(ディーモデル)】と名付け、復刻いたしました。
ぜひ日常に日本の伝統美を感じていただけたら幸いです。 -
日本の伝統美と暮らす
- 伝統工芸からインスパイアされたデザインでありながら、細部に現代的な意匠を取り入れることで洗練された印象になりました。洋室、和室どちらにも合わせてお使いいただけます。
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インテリアイメージ
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- 写真はイメージです。
周囲の照明状況などにより、古都里の明るさや、和紙を透ける照明色の見え方は異なります。 -
製品仕様
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サイズ 全体(コード含む):直径38.8cm 高さ90cm
シェード:直径38.8cm 高さ20.5cm
素材 竹、木、和紙、スチール(ホワイトブロンズメッキ仕上げ)
ランプ 白熱電球/40w/E17/乳白色ボール球
カラー 和紙:白(和紙特有の生成りがかった白です)
竹:ナチュラル(無塗装)
生産地 日本
メーカー シェード:株式会社日吉屋
灯体:株式会社クラマタ産業
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注意事項
- ※自然素材でできているため、それぞれ微妙に形状が異なります。
※竹骨には竹を割ってできる極細い毛羽立ちのようなものがありますが、和傘と同様の制作工程であり、手仕事の風合いとしてご了承ください。
※ PC環境により実際の色味や質感と異なって表示される場合がございます。 -
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組み立て方
- 組み立て説明書が付属しています。
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取り付けについて
- 住宅の天井には一般的に、照明器具に電源を供給するための電源ソケットである、『引っ掛けシーリング』が設置されています。
古都里は引っ掛けシーリングに対応しているので、カチッとはめるだけで、しっかりと固定されます。
※天井に引掛けシーリングの取り付けがない場合は設置工事が必要です。
※一本のバーに電極を付けたダクトレール(ライティングレール)には別売りの変換プラグが必要です。 -
FAQ
- ■お手入れはどの様にしたらいいですか?
乾いた柔らかいタオルやハンディワイパーのようなものでやさしくホコリを撫でてください。
■コードの長さは調節できますか?
短くするためのアジャスターが市販されていますのでご利用ください。
■経年による色の変化はありますか?
ご使用の環境にもよりますが、自然素材なので多少の変化はございます。時と共に醸し出す深みと味わいをお楽しみください。 -
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復刻版に込めた思い
- 日本文化を支えてきた『いいもの』の需要が減り、それに伴って職人も減ってきています。
職人がいなくなるということは、そのモノがなくなるだけでなく、文化も継承できなくなるということです。
だからといって、暮らしに合わないものを無理やり持つことは心地よくありません。
現代のライフスタイルに調和する『日本の伝統美』の実現が、受け継がれてきた日本の文化を未来へつなげることになる。
わたしたちはそう信じて、古都里の復刻版の製作を決めました。
より多くの方の日常に、和傘の伝統美と文化が届きますよう努めて参ります。