イタリア野菜の名産地、山形県河北(かほく)町を知っていますか?
- 初めまして、山形県の河北町商工会 商工振興課 課長の芦埜貴之と申します。
- 突然ですが、みなさんはイタリア野菜の名産地と言われたらどこを思い浮かべますか?
赤、黄色、オレンジなどの鮮やかなイタリア野菜を作っているところといえば、北海道や鎌倉、三浦などをイメージする方もいるかもしれません。
- 実は、私の出身地でもある山形県河北町は、一流のイタリアシェフも絶賛するイタリア野菜の名産地なのです。今では年間60種類のイタリア野菜を都内の有名イタリア料理店や百貨店などを中心に100店舗へ販売できるまでの産地になっています。
山形と言えば、果物やお米、山形牛などが有名で、河北町もさくらんぼの町村生産量全国ナンバーワンの町です。そのような中、なぜ私たちがイタリア野菜を作り始めたのか。
河北町がイタリア野菜の名産地になるまで
- 7年前に、商工会で特産品のPRを担当していた私が、「国産のイタリア野菜を使いたいが品物がなくて買えない」という知人のシェフの一言を聞いたのがきっかけでした。欲しがっている人がいるのに品物がない、それならば作ってしまうおう、と河北の農家が集まりました。
最初に取り組んだのはイタリア野菜の王様ともいわれる「トレヴィーゾ」です。私は農業について全くの素人でしたので、同級生に相談を持ち掛けましたが、作ったことも食べたこともないのは同級生も一緒。「なんとか一緒に頑張ろう」と口説き落としてスタートしました。
そこからは試行錯誤の毎日です。当時は種苗会社もイタリア野菜の種子を取り扱っておらず、インターネットで種苗を直接輸入しました。栽培方法は、インターネットの動画サイトを見ながら学びました。もちろん動画はすべてイタリア語、見よう見まねで必死に頑張りました。
- これがイタリア野菜の王様とも言われる「トレヴィーゾ」です。河北町の気候風土を活かし植え付けから半年以上の時間をかけ作り上げました。
- 最初の3年は失敗の連続でしたが、今では年間60種類のイタリア野菜を都内の有名イタリア料理店や百貨店などを中心に100店舗へ販売できるように。そこに至るまでには、たくさんの方々の支援がありました。
イタリア料理研究家の方に直接連絡をしてアドバイスを頂いたり、有名シェフのFacebookに友達申請をして「河北町でイタリア野菜を作っています」とPRして販路開拓を行うなど、ツテの無い中での突然の私のお願いに対して、皆さん温かく応援してくださり、本当に感謝しています。
- 最近では、かほくイタリア野菜の生産量や取扱店が増えただけでなく、河北町内の事業者との共同開発商品も生まれています。和田酒造では、かほくイタリア野菜をつかった料理に合う日本酒「サルーテ」を開発。ほかにも、かほくイタリア野菜をつかったキッシュの商品開発や、マスキングテープなど、様々なかたちで広がっています。
こうした広がりは町内だけではありません。収穫体験ツアーでは、3カ月で500人の参加者があり、河北町に訪れる人も増えています。
イタリア野菜だけではない河北町の魅力
- 紅色に布を染め上げるべに染めや、職人による最高品質のスリッパで知られていた河北町。イタリア野菜以外にも、名産品がたくさんあります。特に僕のおすすめは親鳥のダシのきいた冷たい肉そば。小さなころから親しんだ家庭の味です。
三軒茶屋にアンテナショップ「かほくらし」をつくります!10月17日オープン予定です。
- (左:1階物販エリア 右:2階飲食エリア)
これまで、河北町は、名産品やイタリア野菜などの「生産」に注力してきたのかもしれません。自慢の名産品の数々を生産できるようになり、次は東京でも楽しんでもらえる場所をつくりたいと考えたのです。
アンテナショップと言うと物販のイメージがありますが、飲食スペースも併設。昼間は冷たい肉そばなどのランチメニュー、夜はイタリア野菜をはじめとした河北町の食材を使用したこだわりの料理やお酒を、囲炉裏を囲んだ劇場型のカウンターでお楽しみいただけます。
このほか、地域の人々が交流できるよう、河北町の食材を使用した料理教室や、河北町の魅力を知ってもらうイベントを定期的に開催する予定です。
選んだ場所は三軒茶屋、お店の名前は「かほくらし」と命名しました。「河北の暮らし、ありのまま」をコンセプトに、大好きな河北町の“ありのままの良さ”を店舗に訪れた皆さんに知って頂きたくて、この名前を付けました。また、店舗のデザインコンセプトは、【土薫る旧き邸】~つちかおる ふるき やしき~。河北町は最上川や寒河江川の恩恵で肥沃な土壌があり、河北町が誇る自然豊かな四季の香りはその土が育んだもの。そうした河北らしい空間を演出した店舗デザインです。
三軒茶屋で5店舗展開する「和音人」とコラボレーション
- ランチやディナーを楽しむこともできる「かほくらし」を運営するのは株式会社 和音人のみなさん。山形食材を使った創作居酒屋「和音人 月山」「GYOZA SHACK」など、山形県とも馴染みの深い店舗を三軒茶屋で5店舗展開しており、かほくイタリア野菜、和田酒造のあら玉、正福の千日和牛など河北町の食材を店舗で提供するなど、河北町にも深い縁がある会社です。
山形県内の食材を活用するだけでなく、すぐ近くの山形県西川町でワイン醸造用葡萄を生産しワイン造りにトライしたり、山形県の在来野菜を守る取り組みを行うなど、並々ならない山形愛を持っている狩野社長。きっかけは、今回の立ち上げにも協力してくれる山形県西川町出身の斎藤店長(和音人月山)の町おこしを行いたいという熱い想いからきています。
- 「河北町は酒蔵に、お肉、野菜をはじめ、良いものがたくさんある。今回僕らが一緒にすることで、河北町の魅力を最大限 お客様に伝えることができるよう一緒に頑張っていきたいと思う」と熱く語ってくれました。
河北町の野菜のおいしさがぎっしりつまった絶品のお料理が振舞われることは間違いありません。
集まった資金の使い道
- 「かほくらし」をオープンさせる場所は、三軒茶屋の国道246号線沿い。現在店内のデザインや商品の値付けなどをしている状態です。開店資金はある程度調達できたので、店舗をオープンさせることはできるものの、内装やプロモーションの費用がまだまだ必要です。集まった費用はこのアンテナショップ「かほくらし」の運営に大切に使わせていただきます。
リターンには、野菜セットや名産品、「かほくらし」でのお食事を
- リターンには、「かほくらし」での料理教室やお食事券などをご用意させていただきました。また、「かほくらし」のオープニングイベント等への招待券も。お店に来られない方でもかほくの良さを少しでも知ってもらえるように用意した名産品セットもおすすめです。
かほくのチャレンジを応援してください!
- このプロジェクトにチャレンジするのは、資金を集めるだけではなく、「かほくらし」に共感してくださるみなさまとオープン前に出会いたかったからでもあります。共感してくれる方の声をきいてお店に活かしたり、イベントを企画したりしたいと思っています。
そして、このお店がみなさんに愛されるお店になるよう、河北の生産者、店舗の運営に関わる全員が願っています。みなさまのご支援をお待ちしております。