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「鞄いたがき」と、創業者「板垣英三」
- 「鞄いたがき」は北海道赤平市に本社を構える、革製品ブランドです。私たちのモットーは「自ら作り、自ら売る」。北海道の豊かな自然に囲まれた工房では、職人たちが高品質な製品を製造するために日々研鑽し、また販売スタッフは直営6店舗と年間100回以上の催事会場で、その魅力を日本全国にお伝えしています。
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- 鞄いたがきの原点は、鞄づくり。創業者の板垣英三は15歳で東京下町の鞄職人 八木廉太郎氏の丁稚奉公に入って以降、カバンメーカー:エース㈱での「サムソナイト」の開発・製造、そして「鞄いたがき」の設立・発展と、2019年7月11日に84年の生涯を終えるまで鞄づくり一筋の人生を歩みました。
エース時代には、今では当たり前となったキャスター付きキャリーバッグを開発。また2018(平成30)年には鞄いたがきでの功績が認められ、春の叙勲にて『旭日単光章』を受章しました。
鞄いたがきには、創業者が経験した東京下町の昔気質な職人たちの情熱と技術が、この北海道の地で受け継がれています。 -
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タンニン革の可能性を広げる!【タンニン革×北海道産木材】で「鞄ラック」を開発
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こだわりの「タンニン革」
- 鞄いたがきのこだわりは、タンニン革(植物由来の天然成分である“タンニン”でなめした革)によるものづくり。
「タンニンなめし」は皮を革に変える昔ながらの伝統的な方法で、ミモザやチェスナットといった植物の樹皮から抽出したタンニン(渋)を含む溶液に、濃度の薄い槽から高い槽へと約2ヶ月かけてじっくりと漬け込んで皮をなめしていきます(ピットなめし)。
鞄いたがきでは創業以来「タンニン革」にこだわり、国内有数のタンニン槽を保有している栃木レザー社製のタンニン革を使い続けています。 -
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- そのような手間をかけてなめされているタンニン革ですが、現在の皮革市場はクロム化合物を使って皮をなめす「クロムなめし」が主流です。
その背景にはタンニンなめしに比べて半分以下の期間で皮をなめせること、そしてタンニン革は厚くて堅いために加工が難しく、用途も限られてしまうことがあります。
「タンニン革」と「クロム革」はそれぞれに特徴があり好みは人それぞれですが、鞄いたがきはタンニン革にこだわったものづくりを続けており、その良さを広めていくためにも「タンニン革の可能性を広げられるものづくり」にチャレンジしています。 -
【タンニン革×北海道産木材】の「鞄ラック」
- 前述したタンニン革の特徴を活かしたチャレンジ製品の第1弾が、今回の「鞄ラック」です。
赤平本店にはコーヒー等を提供している、通称「いたがきカフェ」を併設しています。このカフェではタンニン革の魅力を知ってもらうため、椅子の座面やひじ掛け、ドアの取っ手、ランプシェードなど随所にタンニン革を設え、目で楽しみ、触って、その良さを実感いただける空間にしています。
「鞄ラック」も元々その用度品の1つとして製作したものでしたが、カフェを利用されるお客様から「この鞄ラックを販売して欲しい」という声を多数頂いていました。そのような背景もあって今回、タンニン革の可能性を広げるための製品としてブラッシュアップし、商品化にこぎ着けました。 -
- この鞄ラックの材料は、「タンニン革」と「木材」。どちらも自然由来の素材であり、留め具以外は全て土に還る、まさにサスティナブル時代のアイテムです。
また製造も、赤平市に本社を構える2社(鞄いたがき、武藤工業㈱)のコラボレーションで行い、メイドイン北海道ならぬ「メイドイン赤平」な製品になっています。
他の地方都市と同じく赤平市も人口減少が進んでいますが、そんな赤平市を「もっと元気づけたい!」との思いから、この2社で取り組みました。 -
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本製品の“こだわりポイント”
- 【こだわりポイント①】裏貼りをしない“1枚革”を贅沢に使用
タンニン革の特徴の1つは、その厚さです。タンニン革は厚くて堅い素材ですが、反面「しなやかさ」と「こし」があるのが特長です。今回の鞄ラックでは、厚くて丈夫なタンニン革の柔軟性を活かした作りを意識し、鞄を優しく包み込むようなラックに仕上がっています。
また裏貼りをしない“1枚革”で仕上げているので、表面だけでなく裏の床面からも革の素材感を存分に感じることができます。 -
- 【こだわりポイント②】木材は北海道産の無垢のカバ材
北海道は森林面積が554万ヘクタールあり、日本の森林面積の約1/4を占めています。今回の「鞄ラック」で使用している木材は、北海道産のカバ。北海道内で最も蓄積が多い落葉広葉樹で、家具材、合板材、床板、爪楊枝等に使われています。本製品では木材の表情を活かし、素材感が感じられるよう、無垢材を使用しています。 -
- 【こだわりポイント③】職人による“手づくり”
当社の製品は職人が“手づくり”で製造していますが、パートナー企業である武藤工業㈱も木工職人が腕を振るっている会社です。今回の鞄ラックは、素材の面から見ると「タンニン革×北海道産木材」ですが、技術の面では「鞄職人×木工職人」のコラボレーション製品でもあります。 -
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用途は色々 ~ 室内はもちろん、アウトドアでも
- 当社は鞄メーカーなので「鞄ラック」という名称にしていますが、もちろん鞄以外にもご利用頂けます。
例えばリビング用品として雑誌やひざ掛けなどを置いておくマガジンラックとしても使えますし、折りたたんで車に積んで、アウトドアで利用することもできます(革も木材も自然素材なので、風景にも馴染みます)。
様々な用途で使えますので、ぜひ皆さんのライフスタイルに合った使い方を探してみてください。 -
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「鞄ラック」の開発スタッフ
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「鞄ラック」を開発した熟練職人
- 当社の職人は大半が地元出身ですが、中には「革の仕事がしたい」ということで北海道外から入社し、研鑽を積んでいる社員もいます。革製品づくりの仕事は地域の雇用に貢献できる一方、技術の習得には5年10年単位の経験が必要であり、残念ながらこの仕事から離れてしまう方もいる厳しい世界でもあります。
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- その中でも開発部責任者の堀内は、創業者:板垣英三から直接、技術指南を受けた熟練職人の1人。
近年ハイブランドではファッション性が重視されがちですが、当社は創業以来、タンニン革の魅力を伝えることを重視し素材の良さを活かした、時代に左右されない「タイムレスなデザイン」と「実用性」を両立した製品を作り続けています。
今回の「鞄ラック」も、丈夫で柔軟性のあるタンニン革の良さを最大限に活かした仕上がりになっています。 - 開発スタッフのコメント
堀内「創業者の教えを守り、手を抜かず妥協しない作りになっています。タンニン革の質感と丈夫さを知って頂くために、1枚革で仕上げています。」
橋本「栃木レザー製のタンニン革の希少性を十分生かせるよう、“かける手間”と“活かす”ことを最優先で考え、木と革の調和をテーマに、革の質感と自然になじむバランス感を重視しました。あえて見せる床面も裏処理をしない事で、鞄や置くものにも優しい肌触りになっています。」
倉谷「タンニンでなめした革は厚く、繊維が崩れないよう、タンニン剤に漬け込む方法で製造されています。重量がかかる鞄ラックも丈夫にするため、そのままの厚さを残して制作。隅から隅まで命を無駄にしないよう、余すところなく裁断しました。」 -
- 左から、橋本実(入社24年目)、堀内健一(入社24年目)、倉谷健生(入社12年目)
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パートナー企業「武藤工業株式会社」
- 武藤工業株式会社は、鞄いたがきと同じく北海道赤平市に本社を構え、「木のぬくもりを暮らしに。」をモットーに、木製の家具・建具の製造、木工事やサッシ工事など、木にまつわるさまざまな仕事を行っている会社です。
今回製作した「鞄ラック」は、北海道産のカバ材を使って木工職人がフレームを製作した、まさしく「木のぬくもり」が感じられる仕上がりになっています。 -
- 武藤工業㈱ 増田 雄介 社長コメント
「今回の鞄ラックのフレームとして使用した木は、北海道産のカバ無垢材です。木は目・色・形と1本1本に違いがあり、その違いが個性であり魅力だと考えています。いたがき様が使用している革も同じものは一つとしてなく、製品の形は同じであってもお客様が長年に渡って愛用することで味のある製品として生き続けていると思います。
この度、いたがき様からのお声がけがきっかけで始まった企業コラボ(赤平市内共同制作)で生まれた鞄ラックは置くだけでもお洒落に、そして長くご使用頂けるよう試行錯誤を繰り返しながら改良を進めた製品です。前述したように一つとして同じ物がない革と木が時間の流れと共に色合いが変化していくことも楽しんでいただけたら幸いです。」 -
直営5店舗にて、実物を展示。その目で確かめてください!
- 鞄いたがきは、全国に直営店舗を構えています。そのうち次の5店舗では実物(サンプル)を展示させていただき、当社スタッフが丁寧に製品の説明をさせていただきます。
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赤平本店
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- 北海道赤平市幌岡町113番地
TEL:0125-32-0525
営業時間:10:00~17:00 -
京王プラザホテル札幌店
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- 北海道札幌市中央区北5条西7丁目 京王プラザホテル札幌1階
TEL:011-280-5555
営業時間:10:00~19:00 -
京王プラザホテル新宿店
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- 東京都新宿区西新宿2丁目2番1号 京王プラザホテル新宿 南館ロビー階
TEL:03-5325-2663
営業時間:10:00~19:00 -
中部国際空港セントレア店
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- 愛知県常滑市セントレア1丁目1 中部国際空港ターミナルビル4階 レンガ通り
TEL:0569-47-5716
営業時間:10:00~19:00(時短営業中) -
京都御池店
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- 京都府京都市中京区御所八幡町233 Mezzo御池 1F・2F
TEL:075-222-5656
営業時間:11:00~19:00(火曜定休) -
北海道赤平市について
- 北海道赤平市はかつて「炭鉱の街」として大変賑わいましたが、時代の流れと共に石炭産業は衰退。平成6年には最後の一山が閉山し、赤平の「石炭の歴史」に幕を下ろしました。赤平市内では今でも「立坑」「ズリ山」として、当時の佇まいを見ることが出来ます。
赤平の街は山と山の狭間に長く広がり、中央には雄大な空知川が流れています。自然に囲まれ、ひっそりと静かな時間が流れる赤平の地は“ものづくり”にとても適した環境にあり、現在は本州から進出してきたものづくり企業が市内に拠点を構え、「ものづくりの街」として歩みを進めています。 -
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製品仕様
- サイズ:H360mm × W532mm × D400mm
重量:約2,000g
仕様:裏張り無しの一枚革仕様
素材:革部分-栃木レザー製スムース
木材部分-北海道産カバ材
製造:北海道赤平市