Cube-D(キューブディー)とは
- ベースボードと複数のブロックからなるデジタル回路学習キットです。機能ブロックと接続ブロックを回路集のとおりにボード上に装着するだけで(半田付け/多数の配線/プログラミングが不要)、タイマー、モータ制御、シンセサイザなど100種類の回路がそれぞれ5分程度で完成します。また、論理/四則演算、レジスタ、メモリ、センサ等の機能を使って、ユーザ様がオリジナル回路作成を何度でも楽しむことができます。
特許:第5678226号
商標:第5890204号
こんな方におすすめ
Cube-Dでの回路の作り方
- 実際の作り方を紹介していきます。回路図は複数の単機能とそれらの接続情報が記載されています。この単機能をブロックに割り当ててベースボード上に取り付け、接続ブロックで配線を行うことで回路を作ります。
ブロックはベースボードに差し込み回転することで固定されます。このとき、ブロック裏面のバネとベースボードのパッドが接触して電源/GND/CLKが電気的に接続され、隣り合ったブロック間は信号が接続されます。取外しは逆方向に回転して引き抜きます。 100種類以上の回路が作成できる理由
- アカデミックモデル25ブロックセットには、マルチブロック9個、センサブロック2個、8LEDブロック1個、モータブロック1個、接続ブロック12個の合計25ブロックが入っています。25ブロックのみですが、ブロック数を増やす、あるいは複数ボードを連結することで、100種類以上の回路を実現することができます。
※アカデミックモデルとは…高専、理工系学部、企業の回路教育向けに、論理演算の種類を拡充したモデルです。フィルタ、正弦波生成、P⇔S変換、メモリなども追加しています。 (1)ブロック機能が変更可能
- ブロックは簡単な操作でその機能を切替えることができます。マルチブロックはLED機能を含む50種類から一つを選べます。また8LED/メロディブロックは3種類、光/温度センサブロックは3種類、加速度センサブロックは2種類の機能を選択できます。下の動画ではカウンタブロックを乱数発生ブロックに切替えています(ボード左下は機能切替専用領域)。機能切替後は忘れないようにブロック上面の機能シールを張替えておきます。
(2)バス信号も1線で接続
- 8bitカウンタ出力を演算するには、通常8本の信号線を別の演算素子に接続する必要があります。ブロックで実現すると、巨大なベースボードと多数の接続ブロックが必要になります。Cube-Dではシリアル⇔パラレル相互変換を行い、ブロック間では8bitのバス情報も1本の電気信号線で接続します。(特許:第5678226号)これにより配線量が大幅に削減できます。
(3)表裏2面に実装可能
- ベースボード表面は左下を除いて24個のブロックが実装できますが、裏面にも装着できます。表裏合わせて最大で48個のブロックが装着できるため、配線の自由度が上がります。ブロックだけで配線できない場合にはジャンパ線による配線も可能です。
作成できる回路の一部例
ブロックの種類・仕様
- ブロックは3種類の接続ブロックを除いて5種類の機能ブロック(①マルチ、②8LED/メロディ、③モータ、④光/温度センサ、⑤加速度センサ)があります。機能ブロックは、必要に応じてその機能を切替えることができるので、ブロックを有効に活用できます。
(1)マルチブロック
- このブロックがメインのブロックで、論理演算、四則演算、カウンタ、メモリ、LEDなど50種類(右図パラメータ違いも含めて)の機能が選べます。一度機能を切替えると次に切替えるまで電源を落としても機能は変わりません。
(2)8LED/メロディブロック (3)モータブロック
- 8LED/メロディーブロックは、①8bit入力の2進変換LED表示機能、②レベルメータ機能、③電子オルゴール機能(8曲)の3種類から一つを選択できます。モータブロックはマイクロDCモータとドライバ回路が入っており入力のH/Lレベルに応じてOn/Offの制御ができます。Dutyパルスを入力することにより回転数も制御できます。
(4)光/温度センサブロック (5)加速度センサブロック
- 光/温度センサには、赤外線光センサ、赤外線LEDと温度センサが搭載されていて、①近接センサ、 ②明暗センサ、③温度センサの3種類から一つを選択できます。
加速度センサは、3軸の加速度センサが搭載されていて、①2軸傾きセンサ、②2軸加速度センサのどちらかを選択できます。 ベースボードの機能・仕様
- ベースボードはブロックを固定すると同時に、ブロックに3V電源(裏面に単三電池ボックス)、GND、クロックを供給します。クロック発振機能(1Hzから50KHz)、4桁数値表示機能、スピーカドライブ機能、3chの定数値出力機能、スイッチ入力機能、ブロックの機能切替機能など、回路動作に必要なハードウェアをコンパクトに納めています。
回路設計の楽しさを伝えたい
- 開発者の本間は、回路設計歴20年以上の現役エンジニアです。自分の設計したものが思い通りに動いたときは、20年以上経った今でも言葉では表現できない喜びがあり、多くの人に味わってもらいたいとCube-Dの開発に至りました。
デジタル回路は配線量が多く汎用ICを組み合わせて作成するには手間と時間がかかるため、この感動を味わう前に躊躇したり途中で挫折しまう方が多いのではないでしょうか?
Cube-Dは、数値演算を行う同期回路も短時間で作成できるので、デジタル回路のエッセンスを体験することができます。ぜひ、ものづくりの醍醐味を味わってください! 使用者の声
- 東京ビッグサイトで開催された「教育ITソリューションExpo 2018」にCube-Dを出展したときには、多くのコメントをいただきました。
「1bitレベル信号と8bitバス信号が共存する不思議な世界です。おもしろい」
「この展示会の中で一番尖った商品だと思います」
「アカデミック版が出たらすぐに購入したい」
「電子ブロックは進化したんですね」
「ブレッドボードを使って演習をしていますが配線で多くの時間が取られます。これは良いアイデアですね」 その他
- 第107回かわさき起業家オーディション アイデアシーズ賞受賞
(12/5追記)トラ技ジュニア2019冬号にCube-Dの記事が掲載されます